軽井沢高原教会のクリスマス期間中のイベント、星降る森のクリスマスの装飾を今年も担当させていただきました。
宇宙も森も、ロマンチックも大好きな魚座の私にとって、これ以上ピッタリな製作はないと思っておりますが、今年も張り切って「星降る森のクリスマス」を拡大することができました。
倉庫から1年ぶりに出してきたアイテムたちは、昨年すごく丁寧に作ってきたものたちなので、愛着もひとしおです。
今年も頑張ってなと、つい心の中で声をかけてしまいます。
昨年の製作のベツレヘムの星を表した八芒星をトップにもつオブジェライト。
星が降り積もって光っている様な世界です。
こだわりの表裏の両面塗装で、良い質感に仕上がっています。
トップのスターを強調するために接合部分の細さはなかなか攻めておりますが、念入りな溶接を行っておりますのでガチッとしております。
こちらも昨年製作の4つのアドベントツリー。
アドベントはキリスト教において、クリスマスを待ち望む期間として、12月1日から12月25日までの期間で、蝋燭を4本用意して第一主日に1本目のろうそくに火をともし、その後、第二、第三、第四と週を追うごとに火をともすろうそくを増やしていくという習慣があるのです。
そのためのこの4本のツリーの中には1本のキャンドルが入っています。
ツリーの形は同じですが、トップの形が12月1週−4週までを表す4種類となっています。
こちらも星がたくさん降り積もっている世界観です。
一枚一枚、色を塗った透明な板。縁も一つ一つゴールドに手で塗っております。
そして一枚一枚、手で貼っております。手間暇は惜しみません。
宇宙のように青い部分も裏面から塗装をしております。
20代の頃カナダのバンクーバーに2年間ほど働いていたのですが、その時、ストリートでスプレーアーティストが絵を描いているところを結構な頻度でみておりましたが、それ以降スプレー塗装に結構興味が湧いていて、自分なりにいろんな技法を試してみています。
これは裏面になる部分です。
表の写真が一枚もないのですが、裏とは別物です。
透明素材を塗るときは表裏のレイヤーを逆の順番から塗って行きます。
最終的には半透明のちょうど良い濃さにして光を良い感じに透けさせる必要がありますのですが、塗っている最中は半透明状態では濡れませんので、もう経験を重ねるしかないです。
言葉で説明をするのはなかなか難しいのですが、乾かしてから塗る部分と、乾かさないで溶かしながら塗る部分の融合です。
この辺の表裏を逆に作ったり、乾く乾かないの中間で混ぜて、ちょうど良いところで止める、などは案外キャンドルで身についた技術も役に経っている気がします。
今回、新規製作をした220cmの星いっぱいのクリスマスリース
近くで見ないとわからない2cmくらいの8角形の星もたくさんついていますが、実はこれはスパイスとして使われる八角でして、製作中もずっと良い香りがしていました。
今年の最大の変化となったライト。
星が降る様を形にしました。
タイトルは星の小径。
シンプルなものなのですが、星が降っているような、流れ星のような光る棒の表現は、自信作です。
半透明感と、内面から放射される光のなめらかなグラゲーション。
写真でみるより、実物で見たものの方が、光のグラデーションがとてもよく感じられます。
もちろんハンドメイドですが、構造設計、灯体の選定、素材選び、着色、安全性、防水性、耐熱性、耐候性。
考えて、作って、テストして、ボツ、修正して、作って、テストして、ボツ、この繰り返しでしたが、
いざ、実際に設営中、電源チェックで数十本に光が灯ったとき、涙がでるほど感動しました。
工場で一本ずつ光らせてみていたのと、森の中で並んで光っているのでは大違いです。美しかった。
最大4メートルの長さのライトを、7メートル以上の高さから吊っております。
まっすぐなカツラの木から少し離れて吊れるように、鉄棒を手曲げして作った吊り具などもこしらえました。
光り方は何度も試作を繰り返し、内部に仕込んである3Dプリンターて作った部品の設計も何度も変更しました。
コロナウィルスの感染対策として、人数制限のある予約制ということもあって、なかなか予約が取りづらい状況でしたがぜひ一度、現地に足を運んでその目で、歩きながら見ていただきたいです。
キャンドルでもイルミネーションでもそうなのですが、写真より現物の方が、とても綺麗です。
写真との圧倒的な違いは、動きです。
立体的に配置された光は、視点を動かす(歩く)ことで、立体的に変化を作ります。宇宙を飛んでいるような、というと流石に大げさではありますが、立体のものはやはり生で観るしかありません。
平面のものとの大きな違いです。
星を表現しようとすると、どうしても高い位置に配置をする必要があります。
高所作業車が使えない現場ですので、頼りになる仲間とのご縁がなければ、完成することができません。
ドシッと太い木だけではなく、頼りない細い木もあったり、美術的にどうしても難しい位置につける必要があったりする中で、7~9Mの高さで細かい作業をきちんとやってのけてくれます。
気温2度で風で揺れる木の上で、です。
ということもあり、今回の設営メンバーの半分以上は庭師さんです。
頼りになります。
そもそも、絵を描く時点で、あの人がいるから多分これはいける、という想像をしています。
関わっていただいている皆には本当にいつも感謝です。
棒の長さと、球のサイズと、発光色の組み合わせがあるので、事前に準備していった配置図とパース。
教会へと続く「星明かりのプロムナード」と、ランタンツリーへと続く「星の小径」 。
別々の人生を歩んできた二人が、ここで交差するような。
そんな二つの道ができたこと、本当に嬉しいです。
最近、キャンドルのお仕事より電気を使った装飾の方が実際に多いです。
しかしながら、キャンドルを作っていなかったらきっとできなかったであろう表現と、11年間の自動車のメカニックで培った電気や、金属加工の技術、旅先で観た心を打たれた光景、興味が湧いたものが、いま色々と混ざり合って、ちょうど合わさっている気がしています。
それもそのはず、現在メカニック歴11年でありつつ、キャンドル歴もちょうど11年になりました。
そういうものですね。
最後に2020年の写真。
軽井沢高原教会 星降る森のクリスマス official web site
https://candle.karuizawachurch.org/christmas/
2020年の記事は こちら