過去私が作ってきた美術の中には宇宙の何かをテーマにしたものや、星々や惑星、星雲などからインスピレーションを受けて作ってきたものがたくさんあります。それは私自身が宇宙は美しいと思っているからであり、そもそも子供の頃から宇宙が好きだったことが大きく影響を及ぼしています。

今でも常日頃youtubeなどでは宇宙系のチャンネルを視聴し、都内で宇宙に関する企画展があればもれなく足を運び、使いもしないグッズを買い込み、中に入れるわけでもない全国各地の天文系の施設などにも立ち寄り、事務所には天文写真やアイテムがゴロゴロあり、皆既日食があれば海外にでも観に行きます。ついには我が子に天文由来の名前を持たせることにもなりました。それくらい好きです。

宇宙好きのきっかけを振り返ると、小学校低学年の時に見た図鑑の様々な宇宙の写真、それらを説明した文字の羅列に急速に引き込まれていったことが始まりです。天文ガイドという月刊誌も毎月親に買ってもらったりして、読めない漢字も気にせずペラペラめくっていました。

当時も今も大好物は太陽系惑星とNASAの宇宙探索です。
1960年代のアポロ計画やそれに至るまでのチャレンジの軌跡は本当に今でも信じられない大偉業と思います。

当時はボイジャー2号が海王星に到達する時期で、新聞の一面に海王星の写真が掲載された時には深く感動したのを今でも鮮明に覚えています。もちろんその年の夏休みの自由研究はボイジャー2号をテーマにしました。

そんな宇宙熱も後押しし、小学5年生の時にカメラのキタムラでビクセンの天体望遠鏡を買いました。
もっと小さな頃からずっと使わずに貯めてきたお年玉を全放出した6万円。子供の自分にとってはまさに宝物を手に入れた気分でした。同じクラスにいた宇宙好きの青海くんも同時期に天体望遠鏡を買ったこともあり、一緒に盛り上がっていました。

当時は新潟市の市街地のマンションに住んでいて、ビルに囲まれて空も狭く、重たい天体望遠鏡を小学生が歩いて運べる場所というのも限られていて、見れる天体は、月か太陽くらいでした。

祖父の田舎に帰省する時など望遠鏡を持っていって、文字通り満点の星空の中で夜空を覗いていました。
木星の縞模様や赤い斑点、4つの衛星などが見えた時にはえらく感動しました。

そんな感動を与えてくれた宝物の望遠鏡を2年も経たずに壊してしまいました。
機械好きだった当時の僕はレンズをバラして掃除をし、組み立てるときにうまく嵌められず、割れてしまったのです。その瞬間、心臓がギューーーっと締め付けられたことを覚えています。

恐る恐る覗いてみると、いくらピントを合わせても星の光は歪んでしまっていました。
ショックに明け暮れて、祖父の家の納屋の奥にしまわれることになりました。

そんな望遠鏡が、昨年8月に手元に戻ってきました。

ある企画案に天体望遠鏡を用いたコンテンツを取り入れようとしている最中で、まさに最高のタイミングで僕のところに帰ってきました。

当時壊したレンズとご対面。。
当時の胸の痛みを思い出しつつ、ビクセン本社に経緯を含めてお話しして修理をお願いすると、もちろん当時のレンズなどが残っているわけもなく、最近のモデルの同じサイズのレンズに入れ替えていただくことで対応していただけました。素人目でカタログを見比べてもレンズのスペックは全く同じに思えます。

1月の寒い夜、防寒着を着込んで覗いてみました。
数十年前の子供の自分と今の自分が、何かつながったような感覚でした。
まだそこには木星があって、衛星も回っていました。

当時との違いは、僕が今メガネをかけていて、とても見づらいということでしょうか。
1DAYのコンタクトでも買った方が見やすそうです。
昨年夜更かしして観た「チ。-地球の運動について-」では裸眼で天体観測をしていますが、天体観測において、視力というものはとても大事なものだと改めて思いました。

それから当時もよく観察していたプレアデス星団やオリオン大星雲などをみて、さらには当時は見つけられなかった土星も初めて観測することができました。

星座盤でも常に動く惑星の位置は描かれていないので、火星や木星、金星ほどわかりやすくはない土星を小学生が見つけるのは難しかったんです。ここ数年、スマホのアプリでようやく土星の位置がわかるようになりました。

土星の輪、みえましたよ。中年のおじさんにもなって、とっても嬉しかったです。

スマホでの撮影を試みましたが、なかなかコツが掴めず、もうちょっと調べてから再チャレンジしようと思います。

白飛びしている木星と衛星x4

ブレブレのオリオン大星雲

こちらは望遠鏡とは無関係ですが2025の皆既月食(スマホ撮影)
今年も3月にまた皆既月食がありますが望遠鏡撮影もチャレンジしたいです。

また望遠鏡を見るようになって、ふと夜空を見るときに空がいつもと違って見えるようになりました。
あのベテルギウスは点に見えるけど実はこうなってて、とか、肉眼では見えていないけどあの辺に天王星がいるはずだから今度探してみよう、とかそういう類の想像力が深まって見えてとても楽しいです。

そう考えると、天文学者や、素粒子などを研究する物理学者などは、もっと違ったレベルで空や物質、世の中が見えているんだろうと思い、常人には想像し得ない楽しみを持って日々を生きているんだなと思えます。

今の時代は50年ぶりくらいに人類が月に行くアルテミス計画の真っ最中で、アポロ計画が大好きな自分にとってはワクワクが止まりません。

望遠鏡をずっと保管してくれていたおじさんと、望遠鏡を修理してくれたビクセンさんに感謝です。

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